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恋愛小説 「遠回り」

「ごめんね・・・」

また僕は心の中でそう呟いた。

君はそんな僕の様子を気にする事なく笑っている。

(良かった・・・まだ気付いてないみたいだ)

~第1話 「ためらい」~

どうって事のない会話、いつもの景色、ただの帰り道。

だけど、僕にとってかけがえのない時間。幸せの15分。

君と2人きりになれるのは、この帰り道だけなんだ。

学校で話してると、すぐクラスの評判になってしまうからね・・。

君「今日は暑いね。」

僕「そうだね。なんだか最近、夏バテで食欲が無くなってきてるよ・・。」

君「大丈夫??あ!そうだ!!」

ゴソゴソと鞄をあさり始める君。

君「あったあった!」

僕「何が?」

君「これ今日、調理実習で作ったんだ!食べてみて!そして感想を聞かせてshine

君が取り出したのは手作りのクッキーだった。

僕「えぇ~!?食欲ないのに!?クッキーかぁ・・・・嫌いじゃないんだけどな~。」

君「いいじゃな~い!手作りだよ??まだ私も食べてないから味が不安なのよ。」

僕「そ、それって毒味じゃ・・・」

君「またまた~!堅い事言わないの!ね、お願いだから協力して☆」

僕「わ、わかったよ。」

僕は押し切られるようにクッキーを手に取ったが、ホントは嬉しくてたまらなかった。

僕「じゃあ、戴きます。モグモグ・・・ゴクッ!ん~。」

君「ね!ね!どう?どう?おいしい??」

僕「う、うん。まあまあイケるよ。」

君「まあまあって何よ!ハッキリしないわねぇ~。おいしいの!?まずいの!?」

僕「そ、それは・・・おいしいよ。」

その言葉を聞いて君の表情が変わった。

君「ホントに!?ヤッター!!あぁ~良かった。間違えて塩をたくさん入れた時はどうなる事かと心配だったんだよね~。」

(どおりでしょっぱいわけだ・・。)

君「ん?何か言った?」

僕「いやいやいや!なんでもないよ!」

そうこうしてる内に駅に着いた。

君「じゃあ、また明日ね~!」

僕「う、うん。また明日。」

手にはビッショリと汗をかいていた。

また、今日も告白できなかったな・・・・。

今頃、君は電車の中。何を考えているんだろう。

君と別れてから家まで歩く間、僕はいつも考えている。

好きな人はいるんだろうか?僕と一緒にいて楽しいのだろうか?

疑えばキリがない。

そんな迷いが「好き」の2文字をためらわせる。

もうこれ以上、君に嘘はつきたくない・・・・・

~続く~

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